今すぐできる子どもの睡眠の質を上げる方法

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子どもの睡眠は脳の成長にも重要

大人と子どもでは、睡眠の役割が違うのをご存知ですか?
大人にとって睡眠は、脳と体のメンテナンスが主な役割。一方、子どもにとってはそれだけでなく「脳を育てる」という大きな役割があるのです。
睡眠は、脳も体も眠っている状態の「ノンレム睡眠」と、脳は起きていて体は眠っている状態の「レム睡眠」を交互に繰り返しているのですが、その割合が脳の成長と密接に関係しています。

大脳は、乳幼児期から12歳くらいにかけて、大人の脳へと成長していきます。脳の神経回路はレム睡眠により形成されるため、新生児の睡眠はレム睡眠が約半分を占めています。それが7歳以降になるとレム睡眠が20%程度減少し、ノンレム睡眠が増加していきます。これは、増えすぎた脳内の神経回路を整理する役割をノンレム睡眠が担っているからです。

思春期になると、深いノンレム睡眠が脳の最後の総仕上げを行い、認知スキルや合理的思考、客観的思考なども育っていきます。こうした脳を育てる作業は睡眠中にしか行われないため、子どもの大脳の成長に睡眠は不可欠なのです。

また睡眠は、記憶や感情のコントールを司る脳の前頭連合野(ぜんとうれんごうや)と頭頂連合野(とうちょうれんごうや)にも影響します。睡眠が不足すると脳機能の働きが落ちてしまうため、注意力や記憶力、論理的思考力が低下したり、キレやすく情緒が不安定になってしまったりと、子どもにダイレクトに影響を及ぼしてしまうのです。

子どもの睡眠は運動技能向上にもメリットが

プロのアスリートに話を聞くと、親御さんの睡眠への意識が高く、「子どもの頃は9~10時間は寝ていた」「毎日お昼寝をするのが当たり前だった」という方が多いことがわかります。
実は、十分睡眠をとることは運動技能の上達につながると言っても過言ではありません。

眠っている間は、ノンレム睡眠(脳も体も眠っている状態)とレム睡眠(脳は起きていて体は眠っている状態)を交互に繰り返し、睡眠前半は深いノンレム睡眠、睡眠後半は浅いノンレム睡眠やレム睡眠が多いのが特徴です。睡眠前半と後半とでは、子どもにとって大切な「記憶」への役割が変わってくるのです。

睡眠前半の深いノンレム睡眠では学習の記憶力が向上し、睡眠後半の朝方の浅いノンレム睡眠では、運動技能の記憶を定着させる役割があると言われています。つまり、睡眠後半に日中の練習やトレーニングの効果を定着させる役割があるので、とくにスポーツに打ち込んでいる子にとっては、睡眠後半も重要なのです。睡眠時間が少ないと、朝方の浅い睡眠が出現せずに起床することになってしまうので、十分な睡眠時間を確保することが大切です。

子どもにとって適切な睡眠時間は?

子どもの睡眠にとって大事なことの1つは睡眠時間の確保です。
子どもの睡眠時間は、下記の時間が適切と言われています。

・新生児(0~3か月):14~17時間
・乳幼児(4~11か月):12~15時間
・幼児(1~2歳):11~14時間
・未就学児(3~5歳):10~13時間
・就学児(6~13歳):9~11時間

適切な睡眠時間は幅が広く設けられていますよね。ですので、もし睡眠時間が足りていなかったとしても、例えば小学生であれば、いきなり11時間を目指す必要はなく、まずは9時間を目指し、少しずつ睡眠時間を伸ばすように心がけましょう。

とはいえ、毎日睡眠時間を確保しようとすると、親御さんにとってもプレッシャーになるもの。そのため、1日の睡眠時間で考えるのではなく、遅くなった次の日は30分早く寝るなど1週間単位で考えるのがおすすめです。また、1週間のスケジュール確認する際に、この日なら早目に寝ることができそうという日をチェックしておくのもいいでしょう。

質のよい睡眠のためにブルーライト対策を

巷でよく耳にする「質のよい睡眠」。その意味をご存知ですか?
質のよい睡眠とは、スムーズに寝つくことができ、心身ともに回復できる睡眠のこと。子どもにとっても、質のよい睡眠をとることが重要です。質のよい睡眠をとるためには、体の外面と内面、両方からのアプローチが必要になってきます。

体の外側からのアプローチは、温度や湿度、寝具など寝室環境を整えたり、照明などの光を工夫すること。中でも、子どもにとって最も大事なのは、ブルーライト対策です。

子どもの目は水晶体が澄んでいて、瞳孔も大きいので、大人よりもブルーライトや光の影響を受けやすく、とくに夜、ブルーライトや明るい光を浴びてしまうと、睡眠中に成長ホルモンの分泌を促すメラトニンの分泌が抑制されてしまいます。また、メラトニンは、脈拍、体温、血圧を低下させる役割があるので、自然な眠りを促すためにも必要不可欠なのです。

手っ取り早くブルーライトや明るい光を抑制するには、夕方以降、部屋の明るさを少し落とすといいでしょう。間接照明を使って少し部屋を暗くしたり、LED照明なら色を切り替えることができるので、白色系にしていた場合は、電球色と呼ばれるオレンジ色の明かりに替えることです。ブルーライトと聞くと、パソコンやスマートフォン、テレビを思い浮かべがちですが、実は白色系のLED照明からもブルーライトは出ているのです。

また、ブルーライトのカットメガネを活用するのもおすすめです。ブルーライトのカットメガネは数千円で手に入るので、習い事などで帰宅が遅くなる時や、夜パソコンを使ったり、テレビを見る時などに着けるといいでしょう。

なお、成長ホルモンは、入眠して最初の深い睡眠時に70~80%が分泌され、とくに最初の90分に途中で目覚めず深く眠れているかどうかが影響します。成長ホルモンの分泌を促すためにも、質のよい眠りが大切なのです。

就寝前のお風呂や食事の時間も大切

質のよい睡眠をとるための体の内側からのアプローチは、就寝前のお風呂と食事の時間です。お風呂は湯船にしっかり浸かり、就寝90分前にはあがること。食事は就寝3時間前に食べ終えるのがポイントです。少し気をつけることで、子どもの寝つきは変わってくるものです。

子どもの睡眠にとって、睡眠時間の確保と質のよい睡眠の両方が大切ではあるものの、日々忙しい中では、むずかしいという方も多いかもしれません。そういう方は、やりやすい方から始めてみてください。また、継続することで習慣になり、いずれ子ども自身でできるようになるでしょう。

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